現在注目を浴び、関心が高まっているのが空き家問題。
2013年時点で、日本の空き家は820万戸あり、空き家率は13.5%です。
5年以上経過した今は、もっと増えているでしょう。

予測では、2033年には、空き家率が3割になると言われています。
そして、今後空き家が増えるのは、すでに人口減が激しい地方より、都市部といわれます。

ここで考えたいのは、ご自身の「自宅の立地環境」ではないでしょうか?
地方はともかく、都市部では、まだ「空き家」の感覚は少ないかもしれません。

しかし、都市部でも、住宅地を良く見ると、やはり空き家がポツポツ目に付きます。
3割と言っても、あくまで日本全体の平均値。
ご自身の自宅は、どのような所に立地しているのかも気にしたいです。

最近の新築マンション販売においても、駅から10分もあるところでは、売れ行きがかなり悪いそうです。やはりマンションであれば、駅近の徒歩5分程度までが、選ばれるようです。

住宅は、まわりの空き家が3割を超えると、「スラム化する」と言う研究者の報告があります。都市環境は悪化し、居住快適性が非常に低下することが知られており、空き家への侵入が増え、放火などの犯罪の温床になります。何より街が荒れてくると、暮らしている人々の心が荒みます。自宅だけがどんなに立派でも、やはり住宅は、周囲の環境とセットに存在してこそ価値があります。

高度成長時代に、同じ年齢層が住みだしたマンションや分譲住宅地は、同じ時期に一気に空き家化する可能性が高まります。
また、最近は多くの自治体では、財政難でインフラ維持の予算も少なくなっています。予算を上手く配分するためには、街の中でも、住むべきところと、今後住まないところを分けていこうとしています。(立地適正化計画)

これから10年、20年後は、なかなかイメージし難いですが、こんなことが考えられます。
例えば、高度成長時代には、周辺は当初未開発であっても、年々いろいろ施設や店が出来て、次第に便利な環境に変わってきたイメージがあるかもしれません。
今後は逆なことが起こるでしょう。今は便利でも、年々周囲に店や施設がなくなったり、バスが不便になったりと、年々住みづらくなりそうです。

これから先自宅周辺は、どうなるか?発展する地域か?さびれる地域か?
例えば、バス便の地域や、車がないと不便な地域、店舗や施設が便利でないところは、早い段階の「住み替え」を考えた方が良いかもしれません。

周辺環境が不便になり、街がスラム化してしまわないうちに、また、自分が元気であるうちに、10年後20年後の自宅や周辺環境をイメージして、早めの望ましい環境への住み替えを考える時期にきているような気がします。


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