今年最初の相談者から、次のような質問をいただいた。
『新築戸建て分譲住宅を買うと仲介手数料がかかり、新築分譲マンションを買うと仲介手数料がかからないのはなぜか?』
確かに新築マンションの場合、1回の販売物件数が多いこともあり、ディベロッパー直販であれ、販売代理業者による代理販売であれ、買い手である消費者から所謂仲介手数料を取ることは殆どない。
一方、新築戸建分譲の場合、物件の販売が基本的に1軒ごとの販売であり、工務店などの建築業者も販売力がなかったりして販売を仲介業者に依頼するため、基本的に買い手側に仲介手数料の支払いが発生する。(ここで通常、仲介業社は建築業者からも販売手数料を取っているはずなので、その仲介業者はいわゆる『両手』を実質的に得ていることになる)。
しかも戸建て分譲の世界では大手建売業者の多くは販売をグループ内の仲介業社が担っており、買い手である消費者から得る仲介手数料もグループ内に還流させている。
グループとして物件購入者から物件本体価格以外に仲介手数料も取っているなら、これでは結果として体の良い2重価格を設定しているのと変わらないし、しかも物件価格自体に既に建築業者からの販売手数料が含まれている訳だから、買い手の消費者は手数料自体も2重に支払っていることになる。
勿論そのこと自体は宅建業法に違反しているわけではないし、業界の慣例なのだから、と言ってしまえばそれまでなのだが、<顧客本位>という立場で考えたとき、はたして問題はないのだろうか?
しかも仲介手数料というものに関して、買い手である消費者がいざマイホームの購入を検討するにあたって事前にこのことを十分に理解しているとは思えない。
金融庁を中心に近年規制の強化されている金融・保険業界ですら、いまだに不正が絶えないのだから、<顧客本位>の徹底がいかに難しいかはわからないではないが、住宅・不動産業界も、そろそろ消費者目線に立った<顧客本位>というものを本気で考える時期に来ているのではないだろうか。
例えば、囲い込みなどの不正の温床となる両手取引の禁止などについても真剣に検討すべきだろう。



