<次年度以降の住宅ローン減税の概要>
次年度税制改正大綱に反映される予定の住宅関連税制の変更点が明らかになりました。
その概要は以下の通りです。
―新築住宅&買取再販住宅の住宅ローン減税―
1.適用期間を5年延長(2030年末まで適用)
2.所得1000万円以下の世帯に限り住居の広さ制限を50㎡以上から40㎡以上に緩和
3.減税幅は年末時点での借入残高の0.7%で変わらず
4.減税期間は13年間で変わらず
5.適用所得上限は2000万円で変わらず
6.19歳未満の扶養親族を有する世帯&夫婦のどちらかが39歳以下の世帯の借入限度額上限の緩和
長期優良住宅等の認定住宅の場合4500→5000万円へアップ
ZEH水準省エネ住宅の場合3500→4500万円へアップ
省エネ基準適合住宅の場合3000→4000万円へアップ
7.省エネ基準を満たさない住宅は対象外
8.災害危険区域(ハザードエリア)の住宅は対象外
―中古住宅の住宅ローン減税(下記の適用諸条件を緩和の方向で調整予定)―
1.一般住宅の場合のローン減税
ローン上限2000万円、減税幅0.7%、期間10年
2.長期優良住宅、又は省エネ基準適合住宅の場合の借入額上限3000万円
以上となります・
<筆者の所感>
住宅価格の高騰(2025年10月における東京都の新築戸建て住宅平均価格7525万円―東京カンテイ調べ)や実質賃金の減少という現状を鑑みれば、中間所得層以下では現実問題として新築住宅はもはや手が出ず(*)、結果として上記の税制優遇は新築住宅が購入可能な高額所得者層ばかりを優遇する施策となってしまっています。なおかつ減税幅そのもののアップではなく、減税対象借入限度額のアップを図ったことは、優遇とはいいながら、結局のところ借金を増やすことを奨励していることに外なりません。
まず優先すべきは、いつまでも抜けきらない新築住宅優先の束縛から逃れ、今後ますます増加する既存住宅の活性化をメインとした政策への思い切った転換です。住宅価格の鎮静化が望めない現状では、新築住宅よりも中古住宅の流通を促進する、より強力な税制面での優遇策こそがまず先に示されるべきではないでしょうか。
*2025年10月までの過去1年間の東京都の新築住宅着工件数(注文&分譲合計)約5万5千戸(前年比約4.7%減)、
コロナ禍前2019年(実績約7万戸)比約1万5千戸減(22%減)

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