SUUMOは”顧客本位“をどう考えているのか
今回はリスク覚悟で業者名を挙げてお話させていただきます。
先日私の処に相談に来られたお客様、既に建物の請負契約も済んだとのことで、途中からコンサルを引き受けるべきかどうか悩ましいケースだったのですが、別の大きな疑念が残りました。
このお客様、こちらに来られる前にSUUMOカウンターで施工業者の紹介を受け、紹介された4社のうちの1社と契約を交わされたそうなのですが、私がお受けした決して多くないここ数年の相談客の中で、今回を含めこちらに来られる前にSUUMOカウンターで相談を受けられていた4件のケースのすべてにおいて、数十社という多くの取扱業者の中から紹介された3~5社のなかに、同じ特定の業者が含まれていたのですが、これは単なる偶然なのでしょうか?
ちなみにこの業者は、近年関西から首都圏に進出してきた新興の住宅メーカーですが、はっきり言って個人的には顧客に紹介したいとは決して思わない業者の一つです。
そもそもこの4件のケースの相談者は、施工エリアも、家族構成や予算や好みもすべてバラバラです。属性の全く異なる顧客に対して紹介した施工業者の中に、すべて同じ業者が含まれている、というのはどういうことなのか。
私は、そこには、近年、金融庁から厳しい指導を受けている金融業界や保険業界、特に保険の乗り合い代理店の営業手法に内在する問題と同じ問題が隠されているように思えてなりません。
つまりSUUMOのビジネスは、相談客からはフィーを取らず、紹介する業者からのマージンを収入のベースとする典型的なコミッションビジネスだということです。コミッションビジネスには、その仕組み上、顧客にとってどの業者が最適かの基準ではなく、マージンをより多く払う業者を優先的に紹介しようとする誘惑が常に働きます。
金融庁が「顧客本位」の徹底を厳しく叫んでいるのもその問題の根が深いからですが、「顧客本位」は金融業界だけに徹底されればよいというわけではありません。天下のSUUMOにはそのようなことのないことを望みますが、住宅業界ももっと厳しく、この「顧客本位」の問題に目を向けるべきではないかと思います。