資源の少ない日本で、しかも世界有数の大都会東京に資源が余っていると云った
ら、皆さんは何を想像されるでしょうか?今話題の、破棄家電や携帯電話などの
都市鉱脈?いいえそうではなく、実は答えは森林資源なのです。東京都の森林面
積は都の総面積のなんと約40%、しかもその70%が多摩西部地域に存在していま
す。更にはその60%が人工林です。多摩地域では、最大消費地東京を控え、戦中
までの乱伐と戦後復興により大量の木材需要が生まれたため、杉やヒノキの植林
が昭和30~40年代にかけて大規模に推進されました。近年、春先の杉やヒノキの
花粉に悩んでいる方は多いと思いますが、もともとは東京の森は、ナラ・クリ・
カエデなどの広葉樹とツガ・ヒノキ・モミなどの針葉樹が混在する落葉樹林だっ
たのです。それが東京の木材需要を見込んだ大規模植林により、多量の花粉を飛
散させる杉やヒノキの人工林にかわり、そして今、それらの杉やヒノキは丁度伐
採期を迎えようとしています。しかしこのような,戦後の大規模植林にもかかわ
らず、皮肉なことに、高度成長期を通じて海外産の安価な建築用材が大量に輸入
される時代となり、国内産材は価格競争に敗れて外国産材に押されて昭和 40 年
代以降は需要が大きく低迷してしまいます。森は適度に伐採され管理されなけれ
ば衰退します。木材需要の減少に合わせて林業従事者も減り、少子高齢化の傾向
もこれに拍車をかける形となり、林業の衰退⇒生産の減少⇒林業の更なる衰退、
という負のスパイラルに陥ってしまったのが今の東京の森なのです。(次回はこ
のような東京の森の衰退への危機感から生まれた東京産木材のブランド「多摩産
材」についてお話します)


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