被災地域におけるZEHや太陽光発電設備の対災害効果の検証が必要

ZEH(ゼロエネルギーハウス)は、住宅における脱炭素社会に向けての切り札だと認識されています。また、ZEH住宅でなくとも、太陽光発電設備は、停電時に自家発電ができるので災害時に有効だと云われています。

さてご存知のように、この度、能登半島地方を中心に、地震とそれによる津波や火災により大きな被害が発生しました。2か月を過ぎた現在でも復旧は思うように進んでいません。

ところで今般の被災当該エリアに含まれる石川県、福井県、富山県は、戸建て住宅のZEH化比率が全国でも高い上位県となっています。福井県の39.3%を筆頭に富山県が37.5%で第2位。石川県は32.6%で第7位の普及率です。(日経新聞、2024年1月29日)

そこで気になるのが、実際に今回のような災害にあった地域で、本当のところ、ZEH住宅はどれほど居住住民の生命や暮らしを守るためにプラスになったのか、或いは太陽光発電設備は、今回の被災のなかでも当初の期待される機能をどこまで発揮できたのか、ということです。

勿論、さしあたっての災害復興が、なによりも優先されることは言うまでもありません。これらの検証は、災害復興が一段落した後での話ではあります。しかし昨今は首都圏をはじめ全国各地で群発地震が続いています。その一方で、本年より、東京都は新築戸建て住宅に太陽光発電設備の設置を義務付けました。

懸念されるのは、今後想定される首都圏直下型地震や東南海地震の発生に向けて、これらの設備がプラス面だけ強調されており、被害を助長したり、却って復興の妨げになるようなことはないのか、またどれだけ災害時にメリットを発揮できるのか、の検証が、まだ全くなされていないことです。

被災されて毎日の生活もままならない方々が大勢いらっしゃるなかで、いまからこんな話をするのは極めて失礼な話ではあるのですが、熊本地震における住宅被害の検証が、災害に強いと言われている近年の新しい仕様の住宅がまだ少ない中での検証に留まっている状況にあって、ZEHがある程度普及をみた時点での今回の被災を受けての検証は、喫緊の課題ではないかと思うのです。

特に太陽光発電設備に関しては、ミイラ取りがミイラになるではないですが、CO2削減に寄与するはずが、設備更新時における処分の仕方によっては新たな環境破壊や環境汚染の原因ともなりかねないことが懸念されています。

今回の能登の地震は、私達日本人にとってイレギュラーなものではなく、日本列島で起こり得る自然災害を考えた場合に、ごく典型的な自然災害のパターンです。だからこそ、ZEHや太陽光発電という次世代の新しい有り様が、実際の日本における典型的な自然災害に対してどこまで優位性を実証できるのか、その検証の結果を強い関心を持って待ちたいと思っています。

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