最近また、悪徳業者による住宅の点検営業被害が増えているようです。

先日、筆者あてに、以前リフォームのコンサルをご提供した顧客様から電話がありました。

「先日、近くで工事を請け負っている業者だが、ドローンを飛ばしていたら、たまたまお宅の家の屋根が破損しているのが見えた、と教えてくれたので点検してもらったら、棟部分の板金が浮いている写真を見せられた。近々屋根の修理と塗装の見積もりを出してもらうことになっている」とのこと。このお客様、ちょっと不安になって相見積もりを出してくれる業者を紹介してほしいと筆者のところに連絡をくれたのだそうです。筆者は即座に、この業者の見積もりは、提出を待たずに即刻断るようお伝えしました。その理由はいくつかあります。

・普通のまともな業者であれば、自社の工事現場以外のお宅へ、工事の開始前に迷惑をかける旨のご挨拶に行く以外、余計な営業   をかけることはありません。(業界では、このような営業を“ついで営業”と呼びます)

・「近くで工事を請け負っている」というのがこの手の営業の常套句ですが、そんな現場は恐らく無いはずであり、お客様がその現場を確認すればすぐわかります。(毎日犬の散歩でこのあたりはよく歩いている。そんな現場は無いはずだ、と云えば、口を濁して立ち去ります)

・よほど近距離で高層の建築現場の上層階からでなければ、お客様のご自宅の屋根(2階建て?)の小さな破損個所など見えるはずがありません。(云うところの近くの工事現場?を思い浮かべてみればすぐわかります)

・最近は、今回の例のように、ドローンを飛ばしていて見つかった、などという例が増えていますが、仮にその業者がドローンの飛行許可を得ていたとしても、黙って許可なく他人の土地上空(土地所有権の及ぶ範囲)を飛行させ、ましてや掲載されたカメラで撮影を行っていた場合は、「盗撮」にあたり迷惑行為防止条例違反となります。場合によっては不法行為に基づく損害賠償の対象にもなり得ます。

・今回の業者は横浜に本社がある業者のようでしたが、あまた有る業者で、大手でもない限り横浜の業者がわざわざ東京の西部まで来て工事を行っているケースはまれです。優良な業者であれば、むしろ営業範囲を事務所から何キロ以内というように限定しているくらいです。

・点検の結果、板金が浮いている写真を見せられた、とのことですが、あらかじめ別に撮られた写真かも知れません。最悪の場合は、点検と称して屋根に登った際に、業者が自分でわざと板金をはがした可能性もあります。極めて悪質ですが、既にこのような例は幾例も報告されています。

・点検させたうえ、工事費用の見積もりを取って最終的に契約を行わなかった場合、最悪点検費用を請求されるケースもあります。勿論払う必要はありませんが、トラブルの元となります。

今回のお客様の場合は、残念ですが屋根の棟板金のねじが故意に抜き取られていました。もともと7年前のリフォーム工事で屋根の塗装を行っており、その際併せて点検も済んでいる物件でした。

以上ですが、このような業者が声をかけてきた際には、「知り合いに業者がいるから」とか、「ありがとう、地元の業者に頼んでみるから結構です」とか理由をつけて、それ以上極力関わり合いにならないことを強くお勧めします。

まずはお問い合わせください。初回相談は無料です。

お電話は0422-21-9353受付フォーム随時ブログ更新中